バックナンバー

「椅らば大樹」-(12)

一心寺横の「緑陰街路」

 今年も又ジリジリと焼け付くような日差しの夏になりました。
写真は一心寺の東側に沿う街路。左側が一心寺本体の土塀。右側は手前から三千佛堂、一心寺シアター、一心寺喫茶「緑州」などですがそれなりに樹木地を作ったのが功を奏し、熱暑の夏には有り難い「緑陰」が出来るようになってきました。一心寺参詣にこの道を通られる方も増えてきているのですが、以前はブロック塀で、緑はほとんど無く、面するのは焼け跡に多少手が加えられただけの索漠とした風景の、まさに「裏道」でした。
 今日では一心寺の諸施設が並び、何よりもサクラ、ジャカランダ、ノウゼンカヅラ、ケヤキ、クス、、、などの樹木が適度なミドリになり、お寺らしい「緑陰街路」になって来たなーと喜んでいるところです。ちなみに「緑陰街路」と言う言葉は昔、都市計画用語で初めてお目にかかりました。人工的な都市空間に緑溢れる空間を作り出したロンドン・バッキンガム宮殿とトラファルガル広場を結ぶ大通りがモールと呼ばれ、その訳語が「緑陰街路」だったと聞いたように覚えています。今では「モール」は 緑陰と言うより巨大商業施設の歩行者空間が思い出されますが、基本は緑陰に集まる人々の快適空間のことだったと言うことです。

2009/07/14